製品情報
SilGrip™PSA HP202液縮合硬化
モメンティブ製「SilGrip™PSA HP20」シリコーン感圧粘着剤※ は、ポリシロキサンガムと樹脂をトルエンに溶解したもので、約61%のシリコーン固形分を含み、芳香族・脂肪族・塩素系溶剤でさらに希釈可能です。SilGrip™ PSA HP20 粘着剤は、SilGrip™ PSA HA20 分散液とブレンドすることで、シリコーンゴムやシリコーンフォームなど低表面エネルギー材料に対して特別な高い粘着性能を発揮します。粘着剤と添加剤の組み合わせにより、工業用感圧テープ製造においてフィルムや布基材へのコーティングとして利用が見込まれます。また、シリコーンゴムやシリコーンフォーム基材に対して優れた剥離強度を示し、配合比率や処方に応じて調整することができます。
※Pressure Sensitive Adhesive(PSA)とは?
圧力を加えるだけで接着する粘着剤のことです。もっとわかりやすく言うと「押すだけでくっつく粘着剤」で、熱・水・溶剤・化学反応を必要とせずに、軽い圧力を加えるだけで被着体に濡れ広がり、即座に接着力を発現するという特長を持つ接着剤です。代表的な使用例として、テープ、ラベル、保護フィルム、光学用貼り合わせフィルムなどがあります。
特徴
- 低表面エネルギー基材、特にシリコーンゴムやシリコーンフォームへの優れた粘着性
- 耐熱性、耐寒性、耐薬品性に優れた材料
- 配合を調整することで多様な粘着要求に対応可能
- 湿気、耐候性(オゾン・日光)、薬品(酸・アルカリ・油)への耐性
※シリコーンゴムは何故、接着しにくいのか?
シリコーンゴムが接着しにくいのは、表面自由エネルギーが極めて低く(約20~24 mN/m)、接着剤が濡れ広がらず界面接触面積が確保できないためです。さらに、Si–O–Si骨格にメチル基が外側に配向する構造を持ち、非極性で化学的に不活性な表面を形成します。このため界面での分子間相互作用が乏しく、接着剤の硬化反応や機械的アンカー効果も十分に働きません。耐熱性・耐候性に優れた安定構造ゆえに改質なしでは接着困難であり、通常はプラズマ処理やプライマーによる表面改質が必須となります。
用途例(当社想定)
- 電子部品固定用テープ(モバイル機器、ウェアラブルデバイス、ワイヤレス充電等)
高温環境下でも安定した粘着力を維持し、シリコーンゴム製の絶縁材やパッキンに適用可能。 - 医療機器用部材(シリコーンチューブ等)
柔軟なシリコーンゴム部品に粘着できることで、使い捨て器具や固定材に応用可能。 - 産業用ラベル・フィルム
シリコーンゴム表面にも貼付可能なラベルや識別用フィルムとして。 - シリコーンフォーム製品の積層・加工
難接着なフォーム材を安定的に積層・固定する用途。
特性例
| 項目 | 単位 | HP20 | HA20 |
| HAZE | Clear to slightly hazy | Clear | |
| Color | Light straw | Colorless | |
| Solvent | トルエン | トルエン、キシレン | |
| 配合比 | HP20:HA20=100:5~100:10(重量比) | ||
| 粘度(25°C) | cps | 90,000 | |
| FlashPoint | °C | 4 | |
補足事項
・PSA HA20の配合量を増やすことで高接着力となります。
・PSA塗工量を増やすことで高接着力となります。
・プライマー※を使用することで、PETフィルムへの密着性が良好となります。
※YSR3022/YC6831=100/4
・その他使用方法詳細はテクニカルデータシートを参照ください。
安全データシート(SDS)は随時変更されます。最新版をご確認の際は、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズジャパン合同会社のホームページをご確認ください。



